「写真の道を極めたい」~報道カメラマン 宮嶋茂樹さんに聞いてみた。

インタビュー

あの「不肖 宮嶋茂樹」さんにインタビューできた!



8/12(土)、富士フォトギャラリー銀座。
「1961’s Photographer」写真展を見に来た。
1961年生まれの写真家たち8名。

そのなかに宮嶋茂樹さんがいた。

宮嶋茂樹さん。
わたしが大好きな報道カメラマンだ。

TVでなんども拝見してきた。
海外の戦地の現場から、日本を揺るがした大事件まで。
見るものの心をわしづかみにしてしまう写真の数々。
とくに印象に残るのは、オウム報道でのスクープ写真だ。

宮嶋さんは1996年4月10日、麻原彰晃を東京拘置所で撮影した。
いつ来るかわからない通路にファインダーを向ける。
2キロ近く離れたところから、
2,000mmの超望遠レンズで狙った。
シャッターチャンスは2秒間足らず。

その時の話しをご本人から聞けるとは思わなかった。
鳥肌が立った。



宮嶋さんにいろいろ聞いてみた

ガッティ
「どんなふうなカタチで写真をはじめたのですか?」

宮嶋茂樹さん
「皆さんと同じ、カメラ好きの少年でした」
「小学校1年生くらいのときに、父からフィルムカメラをもらいました。アイレスという国産カメラ。ニコンのマウントがつかない35mmフルサイズ」

ガッティ
「やっぱりうれしかったですか?」

宮嶋さん
「そうですね、(カメラの扱いが)ちょっと難しかったですが。でもすぐ慣れました」

ガッティ
「どんなものを撮ったのですか?」

宮嶋さん
「身のまわりのもの、週末は同級生とSLを撮りに行ったり」

ガッティ
「鉄だった?」

宮嶋さん
「みんなとわいわいやるのが好きだったんです」


ガッティ
「お仕事で写真を撮るようになるのに、なにかきっかけはありましたか?僕にはこれしかないみたいな」

宮嶋さん
「中学校のとき、本格的に暗室に入って現像したり。高校では写真部に入りました。友達と写真を撮ったり、ロバート・キャパの本を読むようになって、写真を職業にしたいなぁと思うようになりました」

ガッティ
「最初から報道に進もうと思いましたか?」

宮嶋さん
「大学を出るころには報道志望でした。最初は悩んでいろんなものを撮ったのですが、自分には向かないなぁとわかりましたので。報道が一番向いていると思いました」

宮嶋茂樹さんの作品 (富士フォトギャラリー銀座にて撮影)


ガッティ
「このお仕事をされていて、うれしかったこと、大変だったこと、これからやっていきたいことを聞かせてください」

宮嶋さん
「うれしかったことは、いい写真が撮れたとき。自分が思ったとおりに撮影できたとき。自分では期待していなかったのに、はるかに大きな収穫があったとき。予想もしていないのに、こんなにいい写真が撮れたとか」

ガッティ
「大変だなって思うことは?」

宮嶋さん
「最近、視力が低下してきたこと。AF(オートフォーカス)の技術がすごいので、なんとかカバーできてるとは思いますが」

ガッティ
「もう何十年も戦地に行ったりしていらっしゃるので、精神力は普通のかたと違いますよね?」

宮嶋さん
「いや、それはみなさんと変わらないですよ。被写体を前にすると忘れますので。嫌なことも苦にならないし、喜怒哀楽も出ない。恐怖感もあまり感じない。職業的なものかもしれない」

ガッティ
「これからどんなことをやっていきたいですか?」

宮嶋さん
「自分はこの写真の道を極めたい。いい写真が撮りたいです。そのためには(海外・国内の)現場に行かなきゃいけない。自分はフットワークがいいので大丈夫かなと」

中東(シリア、イラク)の話しも出た。
日本人が取材できる状態ではない。
安全面はもちろん、メディアがあまり取り上げないので報酬面でも厳しい。
プロの報道カメラマンはただ写真を撮るだけではない。
現地までの交通手段から、案内をする現地スタッフ・通訳、セキュリティの手配まで自分でしなければならない。

みんながみんな、いいって言われるような写真を撮りたい



ガッティ
「報道の厳しい撮影のほかのジャンルを撮ったりしようとは思いませんか?」

宮嶋さんは、目の前にある、山田久美夫さんの美しい花の写真を見ながら言う。
「なんでも撮る自信はありますが、まだ花とか撮るのは早いかなと」
「わたしは(山田さんのような)才能はありませんので」

それを聞いて、思わず笑ってしまった私。

宮嶋さん
「私が撮るのはやはり事件がらみの花とか…」

ガッティ
「写真を極めたい?」

宮嶋さん
「そうですね。自己満足では嫌なので。僕は公平な眼で見れる自信がありますから。独りよがりの写真ではなく、みんながいいって言ってくれるような作品が撮りたいです」

会場で宮嶋茂樹さんの写真集を買った。
「不肖 宮嶋茂樹」のサインをもらった。
うれしかった。

宮嶋さん、お忙しいところ、インタビューをさせていただきありがとうございました。
憧れのカメラマンご本人からお話が聞けるとは思ってもいませんでした。
感謝です!(ガッティ)



「1961’s Photographer」で宮嶋茂樹さんの作品が見れます。
入場無料です。
富士フォトギャラリー銀座で8/17(木)14時まで。
富士フォトギャラリー銀座
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