クルマの雑誌『ベストカー』の編集部を見学できるのだ!
5月27日(金)。
今日は雑誌『ベストカー』編集部視察会にやってきた。
ベストカーアンバサダーのイベントだ。
(ここがうわさの「音羽の不夜城」か)
ビルの中にはいって確認すると、ふむふむ『ベストカー』だ。
いったいどんなところでベストカーは作られてるんだろう?
雑誌の編集部の現場を見るのは初めての私。ドキドキわくわく。
編集部塩川さんに迎えてもらい、編集部のオフィスへ。
ベストカーはこうやってできるのだ
エレベーターを降りるとオフィス。
タイヤが置いてあるではないか。
(さすがクルマの雑誌だ)
オフィスに通される。
先日のVOLKSWAGEN DAY 2016イベントでお世話になった馬場副編集長がいらっしゃった。
馬場さん「(アンバサダーの私達に向かって)いつもご愛読ありがとうございます」
アンバサダーの私達もご挨拶する。
私「お世話になります」
私はこの「いつもご愛読ありがとうございます」という言葉を初めて聞いた。
だから「おっ」と思った。
出版のお仕事をされている方々は日常的に使うことばかもしれない。
ちょっとうれしい。

左が馬場副編集長、右が塩川さん
講談社の松本さんが作ってくれた一日編集部員の名刺がアンバサダーに配られる。

講談社の松本さん
私はこれがめちゃめちゃうれしかった。
塩川さんの説明が始まった。
テーブルに座ると見せられたのはこの紙だ。
「台割(だいわり)」という。
雑誌の設計図だ。
ページ数、内容、担当者名が書いてある。
下の写真を見ると16というのはページ数。
赤く塗ってある16ページからHONDAスポーツが始まるというわけ。
その下に4Cとあるのはカラーのこと。
実際の誌面がこれ。

ベストカー6/26号P.16
43ページのところは1Cとなってる。
これが43ページ。
1Cは1色のこと。
赤、青と色分けがされている。
赤は入稿(原稿をカタチにしていれること)、青はゲラ(ページのカタチで出てきたもの)。
この台割はすでにできあがっているので、すべて青くなっている。
全ページできていますよということ。
白いところは広告のページ。
15は白。これは広告。
塩川さん「この締め切りって何日かかっていると思いますか?」
私「3日ですよね」
(昨年の東京モーターショーのときに出た特別版が3日でできたと聞いた)
5/26発売(最新6/26号)の場合、校了(記事完成)は5月16~19日くらいだそう。
この3,4日で各担当が複数の記事を同時に進行している。
(とんでもないスケジュールだ)
私「ベストカーの誌面はたくさん細かい記事がありますよね。編集の方は何名いらっしゃるんですか?」
塩川さん「10名です」
(たった10名で…)
私「ほーーー」(驚きのため息がもれる)
アンバサダーの方「10日号と26日号で編集スタッフが分かれていると思っていました」
(そうだ。私もそんなふうに思ってた)
ベストカーの誌面は読者にやさしく進化していた!
昨年までは1行14文字。
今年は1行13文字に。
行数も減った。
その結果、とても見やすい誌面になった。
塩川さん「文字数、行数が減ってなにが起こるかというと書きたいものが書けなくなってくるんです」
私「いや~、さすがプロだなぁ。私だったら書く量が減ってよかったと思うのに(笑)」
過去の台割(2009年)を見せてもらう。
手書き1枚しかないのでとても貴重。
これまでの軌跡がわかるものだ。
この1枚しかない手書きの台割を見て、すぐにさわれなかった。
これまでのベストカーの編集の人たちの血と汗の結晶なんだから…。
つぎはラフを見る。
原稿(テキスト)はWordファイルだが、
写真とテキストの構成をこれで決める。
ここに写真が入ったり文章が入る。
そのラフを雑誌のデザイナーさんに出すと、
このカタチになる。
色がついたり写真が入ったりしてる。

雑誌デザイナーさんのラフ
デザイナーさんのラフを検討して修正の作業をする。
背景の色が変わったり、行数の指示を変えたり。
修正して今度はゲラというカタチになる。
ゲラはページのカタチになったもの。
下の写真はカラーのゲラのコピー。

ゲラのコピー
ここでも文字が抜けている箇所を修正する。
私「つぎの号ではどんな内容の記事にするかというのは、よくテレビで見るような編集会議で決めるのですか?それとも編集長が決めるのですか?」
塩川さん「それは企画会議で決めます。今回はHONDAをやりたいとか三菱をやりたいとかを決めて、台割を決めます。緊急で差し替える場合もあります」
台割は本当に大切なものだとここでもわかる。
雑誌そのものなのだ。
カラーのゲラを見せてもらう。
追加の部分が赤とか青字で書いてある。
初校(最初の修正)でできるだけミスを見つけたい。
カラーのゲラの右下に校閲の印が押してあった。
これは校閲担当の方が外部から来るそうだ。
仕事を委託している。
誤字脱字はもちろん、クルマの専門的な情報まで確認する。
編集部以外のひとで校閲専門の方がいることにびっくりする。
(校閲のひとがいるなんて、私は最初冗談かと思った)
校閲の方に修正してもらって再校となる。
編集者全員で誤りがないか確認する。
そして最後は編集長の責了(責任校了)のサインが入る。
これでページにしてOKですよということ。

責了の編集長サイン
これまで雑誌の編集というのは、フリーのライターさんが何人もいてベストカーの人がその仕事を管理して進行するようなイメージをもっていた。
TBSドラマ『重版出来(じゅうはんしゅったい)!』のような漫画の雑誌とも編集の役割が違うそうだ。
素朴な疑問にも答えてくれた
撮影についての疑問も出た。
「新車の撮影って、何台も車両があるんだろうか?」
答え:クルマ雑誌も何社もある。
当然のこと、メーカーによるクルマの貸出もメディアによる取り合いになるそうだ。
私の疑問。
「テレビ東京『SUPER GT+』、TVK『クルマでいこう!』を観ていると、箱根ターンパイクや大磯プリンスホテル駐車場での撮影をよく見る。なぜなんだろうか?」
答え:メーカーのメディア向け新車試乗会が大磯プリンスホテルですることが多い。
箱根ターンパイクのようなところで撮影したいならその管理者に許可をとって使用料を払って撮影したり。
撮影の場所がいろんなメディアでカブるのはそれだけ場所が限られるということらしい。
安全でいいロケーションで撮影となるとどうしても同じ場所になってしまうのだ。
(なるほど!)
ベストカーの創刊号も見れた!
フロアを上がって資料室へ。
ここには創刊からのベストカーが保存されている。
創刊号を見せてもらった。
広告も時代がわかって興味深い。

ベストカー創刊号(1978年1月)がこれ。雑誌名は月刊『ベストカーガイド』だった。

見開き広告のレイアウトが斬新だ。
ページをめくると「この人誰だっけ?」とつい手が止まる。
時代を彩ったスターたち。
SKYLINEの広告ではポール・ニューマンも出てた。
(懐かしいなぁ)
歴代『ベストカー』を見てるとクルマの広告も驚きだ。
『ベストカー』愛なのだ!
編集部のオフィスへ戻った。
塩川さん、ベストカーアンバサダーの皆さんとミーティング。
日頃の疑問をいろいろ聞いてみた。
最新号のページでわかりにくかったところ。
編集部のスタッフは何名?
カメラマンは編集部スタッフとは別にいるの?とか。
塩川さんは初心者の私の恥ずかしい質問も嫌な顔一つせず答えてくれた。
今日はベストカーの裏側をたくさん見せてもらった。
ベストカーアンバサダーの皆さんとも話ができたのも嬉しかった。
編集部に行って実際に話を聞かせてもらい、編集部スタッフの皆さんのクルマ愛はもちろん、それ以上に『ベストカー』愛を感じた。
音羽の不夜城はカッコイイ
記念撮影してもらった。
ナマ梅木部長を見れて感激。
(いつも誌面で見てる)
先日のVOLKSWAGEN DAY 2016でお世話になった馬場副編集長にも会えた。
フォルクスワーゲンイベントではステージでも大活躍だった本郷編集長とも写真を撮ってもらった。
アンバサダー担当の塩川さんには毎回大変お世話になっている。
今回も丁寧にわかりやすく編集のしごとを説明してもらった。
雑誌をつくるって、想像以上に大変そうだった。
それもそのはず音羽の不夜城なんだから。
だけど不夜城にいたひとたちはキラキラしてカッコ良かった!

左:梅木部長 右:塩川さん

右:馬場副編集長

右:本郷編集長
どら焼きに感激する私…
本郷編集長から帰り際にいただいたどら焼き。
家に帰ってからよく見ると“NordRing”と書いてある。
「えっ、これはもしかしてもしかして」
R35 GT-Rの開発ドライバーで有名な鈴木利男さんの「NordRing」(ノルドリンク)ではないか。
5月8日(日)にあった店舗移転&新店舗オープン記念『水野和敏さんプチ講演会』のどら焼きかなぁ~。
水野さんのイベント行きたかったんだよなぁ。
私はイベントに応募したが外れてしまった。
でもこのどら焼き食べて、ベストカー最新6/26号見ながら水野さんの講演に行った気分を味わおうっと。
そういえば音羽のファミマにも行ったよ
イベント前、集合時間より早く着いたので、
『ベストカー』で有名なファミリーマートに行った。
ベストカー編集部の皆さんがこのコンビニで弁当を買ったりして、日夜、編集に明け暮れているという…。
私は缶コーヒーを購入して店内の飲食スペースで飲んだ。
(ウン、うまい…『ベストカー』のひとになった気分をひとり味わってた…)

ファミリーマートで写真撮るの忘れたのでレシートだけど。
今日も楽しかった!
ベストカー編集部の皆さん、ベストカーアンバサダーの皆さん、
ありがとうございました。
ここまで長い記事を読んでくださったあなたに感謝です!
(ガッティ)
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