どこかなつかしい写真の数々
6/14(火)、六本木ミッドタウンのフジフィルムスクエア。
3日前に衝動買いしたカメラの使い方を聞きにやってきた。
カメラコンシェルジュの方が丁寧におしえてくれた。
大満足。
(無料だった)
そのあと館内を見て廻る。
ここに来るのは初めてだ。
写真展がいくつか開催されてた。
平日とあってゆったり観れる。
広告で見るような写真が展示されてる。
どのカメラメーカーのショールームに行っても写真展がやっている。
何度も見たことがある。
立派な写真。
素人でもわかる構図の良さ。
広告で見るような写真の数々。
自分も撮ってみたいとは思う。
でもあまり感動しない。
「すごいなぁ~、やっぱりプロは…」とつぶやきながら足早に会場をあとにする。
これがいつもの私。
けど今日はちがった。
えっ、これなんだろう?
金川信江さんの個展に入る。
入り口から中をちらっと見てみる。
(なんかちがう。おもしろそう)
こんなことが書いてある。
(えっ、写真撮っていいの?Facebookやブログに載せていいのか)
(それではお言葉に甘えて撮影する)
近くでじっくり見る。
(これ、いったい何?)
なにを写しているかがわからない。
非常に気になる。
(これもなに?)
この写真を撮っているひとはどこを視ているのだろう?
視点が面白い。
観ているとなんか楽しい。
自分の日常が呼び起こされる。
大好きなネコの写真もある。
それも黒猫だ。
写真と出会った音楽家に聞いてみた~金川信江さん(クラリネット奏者)
ガッティ「いくつかの写真に布が登場していますがあれは一体なんですか?」
金川信江さん「レースなんです。父がレースを仕事で扱っていたので。この個展の作品は小さいころ父の仕事場で見ていた風景なんです。自分の記憶のなかにある風景を探して写真を撮っています」
ただの下町観光写真ではないのだ。
どの写真もすごくプライベートな香りがする。
ココロのうちを覗いているようだ。
お話を聞いてその理由がわかった。
下の喫茶店の写真。
小さいころお父さんに連れて行ってもらった喫茶店もこんなだったそうだ。
ご覧になっているお客さんもこれを見ると自分の体験がよみがえってくる。
私のように写真を見て、金川さんに話しかけてくる。
作品を説明してくださった。
その思い出を聞いて、金川さんの記憶のなかのワンシーンがこの写真の一枚一枚に蘇っているのがわかる。
カメラが過去の自分と今の自分をつないでいるのだ。
だからただのスナップじゃない写真になってる。
金川信江さん「この猫の写真が一番人気かも…」
(私もこの黒猫の写真が大好きだ)
これはお父さんの仕事場の前で、仕事が終わるのを待っていた幼いころの自分の姿だそうだ。
ギャラリーの外からも作品がすこし見れた。
ウィンドウには垂れ幕。
このコピーがうまい!
曲想、曲線、共鳴で韻をふんでる。
リズムがあってことばの並びがたまらない。
(金川さんが考えたのかな、うまいなぁ)
写真で自分の想いを表現する
私はクラリネットを吹いたことがない。
でもきっと金川さんはクラリネットを自分の声のように、自分色に染めて音色を出しているんだろう。
写真も同じなんだ。
クラリネットをカメラに持ち替えて、自分のココロの色をいつか感じたなつかしい空気といっしょに響かせているんだ。
金川さんの写真からは大切なあたたかい思い出が音になって響いている気がした。
今日も素敵なひとにお会いできてラッキーだった。
FUJIFILMのカメラを買ってよかった。
金川信江さんの初写真個展「根っこ」
2016.6/3(金)~6/16(木)
富士フィルムフォトサロンスペース2
(六本木ミッドタウン1F)
フジフィルムスクエアへのアクセス
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