パイロットの消せる色えんぴつ『フリクションいろえんぴつ』~ロフト春の新作文具展示会

アート
フリクション消せる色えんぴつ

消せるボールペン『フリクション』

パイロットのブースには、
お馴染みのフリクションシリーズがならぶ。

文具売り場でいつも見ているフリクション。
わたしは文具が大好きで
LOFTはもちろん、丸善(東京丸の内)、ITOYAによく足を運ぶ。

家族にはよく
「ちょっとパトロールしてくる…」
と意味不明なことを言って出かける。

なにか新製品出てないか見てくるね、という意味合いなのだけど。

今回、初参加のロフト展示会も、
文具メーカーのひとたちに会えるのを
なにより楽しみにしていた。

ロフトネットストア

私「文房具ってシーズンごとに新製品が出るんですか?」
パイロットのスタッフ「だいたい半年ごとに出ます」

ロフトネットストア

消せる技術でつくった色鉛筆

フリクションいろえんぴつ

消せるボールペンより、色えんぴつに目が止まる。
思わず手が伸びる。

私「えっ、フリクションに色鉛筆もあるんですか?」
パイロットのスタッフ「温度変化で消える素材の固形化。消せるフリクションの進化形になります」
「シャープペンの芯の技術とフリクションの技術を融合させてつくったものです」

消してみる。
パイロットのスタッフ「消えっぷりがいいでしょ」
私「ほんとだ」

消しゴム部分が三菱鉛筆に比べてすこし硬い印象だ。
きっちり消える。

消しっぷりがいいのだ。

スタッフのかたが言った「消しっぷり」の“ぷり”の、
ことばの音が面白い。
(文具メーカーの人ならではのことば回しってあるのかな…)
消しながら考えてた。

パイロットのスタッフ
「手では消えないんです」
手で消してみた。

「ほぉ~なるほど…」と私。
手で消そうとこすっても消えないのだ。
(すごいな)

描いたところを手でこすっても汚れない。
メーカー的には手にまったくつかないという表現もできないそうだが、
私の感想ではつかない、汚れにくいと思った。

消しっぷりも良いが、
書きっぷりもまたなかなか良い。
まるでダーマトグラフのような、
蝋(ろう)のようなツルツル感がする。

描きごこちはロウで描いているみたい。ツルツル滑る。

フリクションの消しゴムも使いやすい。
面で消せる。

私「いいなぁ~、いいなぁ~」
と連呼する。
「(パッケージを見て)これは子供向けですか?」

パイロットのスタッフ
「そうです、子供用」
「幼稚園・小学校に入るお子さん向け」
「色がちょっと薄いんです…」
(申し訳なさそうに言う)

たしかに薄めに色が出る。
それがまるでパステルのように見えた。

私「(色が)薄いからいいと思ったんですが」
「大人向けじゃダメですか?」

パイロットのスタッフ「重ねられるから?」

私「そうです」

何度も線を重ねてみる。

パイロットのスタッフ「(大人向けでも)アリですか?」

私「大人向けでも全然アリだと思いますが」
 「パステルみたい。薄くていいなぁ」

簡単に消せる“パステル風の色えんぴつ”。
(大人だって使えるのになぁ)

商品パッケージを変えれば、
大人向け色鉛筆になると思った。

(色鉛筆を使うアーティストに一度使ってもらえばいいのに)
薄めの色をきれいに重ねられる。

水彩みたいな、
パステルみたいな、
淡い色調の作品ができちゃう。
消しゴムで不透明度も調整できるし。

(これを見たら色鉛筆アーティストはなんて言うだろう?)

私がメーカーの人間なら、
真っ先にいろんなアーティストに使ってもらうだろう。

ロフトの公式通販サイト 『ロフトネットストア』

ロフトネットストア【パイロット】のページ
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これが最初のフリクションなのだ!

パイロットのスタッフ
「最初はなかなかわかってもらえず大変だったんです」

私「へぇ~そうなんですか」

私はフリクションは販売当初からヒット商品だと思っていた。
どうもそうでもないらしい。
(文具の世界もたいへんだ…)

最初のフリクションがこれ。0.7だ。

最初のフリクションで書いてみる。
かなりうれしい。

私「このツルツル感がパイロットだよなぁ~」
「パイロットが好きな人ってこのツルツルの書きごこちが好きなんだろうなぁ」

パイロットのスタッフ「ヌルヌルなんですよ」
私「そう、ヌルヌル」

消してみた。
キリッと思ったように消せる。

パイロットのスタッフ
「私が担当したのがこれです。ノック式なんです」

ノック式フリクション 価格:230円(税別)

「ビジネスマンをイメージしてつくりました」
「消すときにクリップ(ペン挿し部分)に指を置くと消しやすい。力が入ります。エルゴデザインです」
*エルゴデザイン…人間工学に基づいた使いやすいデザインのこと。
「これ、あんまり知られていないんですけど…。こだわりです」

ペン挿し部分(透明)に人差し指を置いて消すと消しやすいのだ。

パイロットのスタッフ
「この製品が出たタイミングでインクも改良してより濃くなりました」

このノック式は私も以前使っていた。
とても使いやすい。

エルゴデザインで力が入りやすくなり消しやすくなる。

(こんな細かいところも考えているのか)

もっと手書きしようと思った

文具売り場に行くたびに、
消せるボールペンの商品ラインナップが増えている。
「あ~、今度はこんな高級筆記具にもフリクションが出たのか」
いつもびっくりしながら売り場で見ていた。

もうしっかり定着した“消せるボールペン”。
生みの親はパイロット。
文具の世界に新しいひとつの分野をつくった。
ボールペンなのに消すことができる。
だれも考えなかった視点。

消せるボールペン開発には何十年もかかったそうだ。
技術面で想像もしない困難を乗り越えて商品化していく。
温度変化に連動して変色する材料の研究開発を続けてきたのだ。

1本何百円で気軽に買えるボールペン。
日常で何気なく目にして使っている。
消せるボールペン商品化までの説明を聞いていると、
フリクションボールペンもちがって見えてきた。

ユーザーは気づかないかもしれない。
フリクションで書いたとき、
ほんの一瞬、感じる書きやすさ。
ペン先の滑りの気持ちよさ。
持った感触。
“書きやすさ”の微妙な感覚が伝わってくる。

1本のボールペン。
パイロットのスタッフの皆さんの話しを聞いて
垣間見えた『文房具の繊細な世界』。

もっと大切に使おう。
もっと手書きで書こう。
そんなことを思った。

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