まるで動物園にきた気分になるのだ
日本画の動物画の展覧会が開かれる、と知った。
画家の名前は、木島櫻谷。
場所は、泉屋博古館分館。
(えっ?)
どちらも知らなかった。
まず、気になったのは、読み方。
泉屋博古館は、「せんおくはくこかん」
木島櫻谷は、「このしまおうこく」と読む。
ただ、動物画なので行ってみたくなった。
ネットでも事前に調べず、イベント当日、ちょっとドキドキしながら美術館に向かった。
*記事内の写真は、泉屋博古館分館に許可をいただいて撮影しています。
都会の真ん中にある美術館
泉屋博古館分館は六本木一丁目駅をエスカレーターで上がったところにある。
(こんな便利なところにあるんだ。。。)
なんともおしゃれな建物なのだ。
イベントが始まった。
まず、泉屋博古館分館長の野地耕一郎さんのあいさつ。
ここ、六本木は分館、本館は京都にあるという。
ますます不思議なかんじがした。
野地さんが言う。
「日本でも、美術館の館長は多いけど、分館長はおそらく私だけ。皆さんは珍しいものを見ているのですよ」
会場から笑いが聞こえる。
動き回っているようだ。。。
そして、展覧会場を廻るギャラリートーク。
泉屋博古館(京都) 学芸課長の実方葉子さんが説明してくれる。
会場に入った。
まず、目に入ったのは、リアルな動物たち。
(なんだよ、これ。凄すぎる。。。)
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima02.jpg)
「野猪図」
いのししと鷲がいる。
これは日本画なの?
超リアルなのである。
日本画のイメージとはちがった。
いのししの毛並みにびっくり。
紙のうえに本物の毛をはりつけたみたいに見えるのだ。そんなわけはないので、目をこらして見る。
それでもやはり手前に毛がふさふさ生えているように見える。
毛が日差しに反射して光っている。
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima03.jpg)
「猛鷲図」
鷲。
くちばしの艶やかさに気をとられる。
羽には光が当たっている。
そして、気がついた。
どれも動いている。
生きている。
一眼レフカメラで、切りとる何千分の1の世界。
動きを一瞬止めた世界。
動物たちの動きをとめて見せている。
こんなひとがいたんだ!
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima05.jpg)
「獅子虎図屏風」の右部分。
虎がぺ~ロ、ペ~ロ。
猫が大好きな私。
ネコ科の虎を見ると可愛くてたまらない。
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima13.jpg)
「獅子虎図屏風」の左部分。
そのほかにも、熊、ねこ、いぬ、鹿…。
ライオンの眼はどこか人間っぽい。
話しかけたら、応えてくれそう。
恐ろしいほどの細密描写なのに、
人間を感じるところがある。
ただ正確に描いているわけではないのだ。
屏風が面白いのだ
鹿の屏風の前に立つ。
(カワイイなぁ)
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima11.jpg)
「初夏 晩秋」の一部
左に少し動いてみた。
(なんか、動いて見える)
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima12.jpg)
「初夏 晩秋」の一部
動いているわけはないんだけど…。
動いて見える。
屏風は、今でいうVR(ヴァーチャルリアリティー)の装置。
鹿たちの息づかいが聞こえてきそう。
写真みたいに見えた
今回の展覧会のチラシの絵。
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima04-1.jpg)
「寒月」
(うわっ、写真に見える。。。)
雪が積もる寒い夜。
月が照っている。
そこを狐が歩いている。
この狐もなんか人っぽい。
こちらに飛び込んできそう
武者絵も圧巻だ。
![](https://gatti-garden.tokyo/wp-content/uploads/2018/02/konoshima08.jpg)
「かりくら」
跳ね回っている。
スケッチブックを見れて感激
会場では木島のたくさんの写生帖が見れた。
ねこもあった。
墨や鉛筆が使われていた。
動物園の年間パスポートもあった。
京都の動物園から贈呈された。
どこに行くにも写生帖を持ち歩いて、スケッチしていたそうだ。
スケッチ好きの私は、写生帖に描かれた動物を見ているだけで、
うれしくてニヤニヤしてしまう。
こんな線の細さで描くのか、
毛並みはこんなふうに。。。
忘れないように一生懸命に見た。
木島櫻谷。
このしまおうこく。
超絶リアルな動物たち。
絵を見にきたけど、
まるで動物園のいる気分になった(笑)。
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「木島櫻谷」Part1 近代動物画の冒険
泉屋博古館分館(南北線 六本木一丁目駅うえ)
2/24(土)~4/8(日)まで。
動物が好きなひとはおすすめですよ。
一般の入館料 800円もうれしいし。
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