大好きなファーバーカステルのイベントだ
10/25(水)16時すぎ、銀座伊東屋。
ファーバーカステル伯爵初来日イベントにやってきた。
外は小雨が降っている。
伊東屋10Fに上がる。
かわいいイラストが並ぶ。
イベントは2部形式。
第1部は、ファッションイラストレーターのKera Tillさんのデモンストレーション。
第2部は、ファーバーカステル伯爵と『趣味の文具箱』編集長 清水茂樹さんのトークショー。
会場に入ると、レセプションパーティ状態だ。
Kera Tillさんのイベントが始まっている。
どこだろう?
あまりの人の多さにびっくり。
ケラさんを探す。
ゲストにイラストを描いてあげている。
(いいなぁ)
混んでいるので、商品撮影に向かう。
ファーバーカステル伯爵コレクションが勢揃い。
(財布もあるのか)
中もスペースが広い。お札、カードもきっちり収納できる。
ファーバーカステルがこんな長財布も作っているなんて知らなかった。
バッグもある!
Kera Tillさんのデモンストレーション
ケラさんのところに行ってみた。
ファーバーカステル伯爵も座ってる。
伯爵はゲストのカードにサインしているみたいだ。
列にならんで、順番を待つ。
ケラさんも大忙し。
わたしの番になった。
Keraさんに、何を描きますか?と聞かれた。
わたしは大好きなネコを描いてもらった。
いい記念になった。
アーティストに目の前で描いてもらうのはやっぱりうれしい。
ファーバーカステル伯爵のトークショー
トークショーが始まった。
聞き手は、文房具の雑誌『趣味の文具箱』編集長 清水茂樹さん。
清水編集長は、先代の伯爵にもインタビューしたことがあるそう。
清水編集長
「ファーバーカステルは256年つづくブランド。長く続く秘訣は?」
ファーバーカステル伯爵
「次の世代になにを残すかということを考えて行動することが重要。もうひとつ大事なのは時代に合わせた商品を作ることですね」
清水編集長
「代々、受け継いでいくことはあるのでしょうか?」
ファーバーカステル伯爵
「ブランドを受け継ぐことをお話するうえで、父の存在を置いてお話できません」
「先代がやって来たことを見つめて、自分の世代ではなにを興すべきかを考える。例えば、比類のない高品質の商品を生み出すとか、人間は創造性のある存在なので、創造性を活かした商品をつくるとか。環境保護の視点からも商品をつくってきた」
「父は80年代に、パソコンの出現で厳しい時代を経験した。周囲からはデジタルをつかった商品をとりこむべきだとの意見もあった。でも、それに対して、“NO”と言った。時代にあわせて商品を開発することは大切なんですが、そのまま時代の流れを受け入れてしまうのは、ファーバーカステルらしくはない」
「その厳しい時代にファーバーカステルがとった戦略は、我々がなすべきことは何か、自分たちが得意なものはなにか、という点に焦点を当てたこと。具体的には、ファーバーカステルのスローガンである“companion for life”(人生のどんな時も最良の友、ベストパートナーでいる)。例えば、小さいお子さんの知育文具から、大人の万年筆まで、人々の生活に寄り添うことを大切にしてきました」
「いつの時代にも通じると確信していること。ブランドは短期的な利益でなく、長期的な視野でブランドをどう成長させるかという視点で考えることが大切だということ。この長期的な視野こそが、ファーバーカステルが、長くブランドを継続できて、成功を収めていることの理由だと思っています」
清水編集長
「ファーバーカステルの高級シリーズの伯爵コレクションを象徴しているものはどの商品でしょうか?」
ファーバーカステル伯爵
「数年前でしたら、ブランドの基礎となっている『パーフェクト・ペンシル』をあげたと思います。鉛筆でありながらも最高品質であることがキーになっています。ブランドのアイデンティティーはひとつの商品で表現されるものではない。『パーフェクト・ペンシル』のほかに選ぶとしたら、『マカサウッド』の万年筆。伯爵コレクションは、個性を大切にしたいと考えている。木は、自然のものなので、ひとつひとつ木目が違ったり、色合いがちがう。その意味で『マカサウッド』は伯爵コレクションを象徴する商品だと思います」
清水編集長
「伯爵コレクションで一番変わったと思ったのは、『リロシェ』のカラーバリエーション。そのカラー展開の発想はどんなところから来ていますか?」
ファーバーカステル伯爵
「ファーバーカステル伯爵コレクションは、個性を表現するためのブランド。『リロシェ』はそこから考えました。最初、わたしはいろいろな色のインクを揃えることに疑問があった。定番のブラックやブルーではないかと。モスグリーンのインクなんて誰が使うんだろう?さまざまな色のインクやデザインは、持ち主の個性を表現する。モスグリーンのインクで自分の思いをより伝えることができると」
「画材から発祥したファーバーカステルなので、従来の画材ファンとの架け橋となるのが、今回の新商品だと思っています」
清水編集長
「80年代にデジタルが生活に入り始めて、今はデジタル化したものが日常のなかにどんどん普及している。そんな時代に、筆記具、ペンが果たす価値とはどんなものとお考えでしょうか?」
ファーバーカステル伯爵
「日々、ソーシャルメディアの影響で、私達の生活はデジタル機器に囲まれて、疲れ始めている。だから手書き、アナログへの回帰。みな手を動かして書く実感を得たいのではないかと思っています」
毎日、スマホをさわって、デジタルに時間を費やしている。でも皆さんは自分で文字を書いて、誰かに思いを伝えることの意味をもう一度実感し始めたのではないかと。今日、デモンストレーションで来ているケラ・ティルが描いたカードを受け取ったひとがどんな気持ちになるか、ということを振り返って考えてみると、手書きの良さの意味がわかるのではないかと思います」
このあと、10代目になるお子さんの話しになっていく。
スライドで1歳半のレオン君、4ヶ月のカーラちゃんのかわいいスナップ写真が映し出された。
お子さんの話しになると、伯爵の表情はやさしいパパの顔に変わっていた。
ひとに寄り添うブランド
ファーバーカステル。
世界ではじめて鉛筆を作った会社だ。
鉛筆はもちろんのこと、ポリクロモス色鉛筆、デューラー水彩色鉛筆など、絵を描くひとには超有名ブランドだ。
はじめて、ポリクロモス色鉛筆を買ったときはうれしかった。
今でも覚えている。
日本製よりも高いので、セットで買えなかった。
色を選んで数本ずつ買い揃えていった。
そのブランドを率いる伯爵の話しを聞いた印象は、スローガンである“companion for life”の通りだった。
どこまでもひとに寄り添うブランド。
時代に必要とされる商品を研究して開発する。
大きなブランドなのに、すごく温かい。
そう、手書き、手描き、アナログ。
それがファーバーカステルらしいなぁと納得した。
このイベントで、またファーバーカステルが好きになった。
ファッションイラストレーター Kera Tillさん、ファーバーカステル伯爵を会場でスケッチ。
ケラさんがこのスケッチを見て喜んでくれた。
インスタにもあげてくれた。
喜んでもらえてうれしかった。