写真家mick park『Art or Ride』ART EXHIBITIONに行ってきた。撮りたいイメージが大事!~mick parkさんにインタビュー

アート
左:mick parkさん 右:MAE KENさん

SK8easyのスケートボードが勢揃いだ!

7/25(火)下北沢バロンデッセアートギャラリー。
mick park「Art or Ride」ART EXHIBITIONを観にきた。
ビルの3Fに上がった。



なかに入ると外国に来たみたい。
おしゃれな空間だ。
広いのに驚く。
小さな個室がいくつもつながっている。
1フロアーすべてがART EXHIBITIONの会場だ。

mick さんはアイルトン・セナ、長嶋茂雄、音楽アーティスト、アイドル、俳優、ファッションモデル、コマーシャルを撮影してきた写真家。
mick park webサイト

下北沢バロンデッセアートギャラリーでは、mickさんの写真作品、そしてミックさんのスケートボード・オリジナルブランド「SK8easy 」の作品が壁に飾られている。
SK8easy WEBサイト

木目が美しいマホガニー、メイプルなどの一枚板から切り出したスケートボードの数々。
板面にはミックさんの写真がプリント。

Hands Cross in Air
Russian Ash


木製ボードがまさにキャンバスだ。
写真でなくて絵が描かれているように見える。
まさにmick ワールドがスケートボードになっている。
世界に一枚だけのボードだ。

Good Luck Dragon Maple



つぎは、Good Luck Dragon(Birdseye+Mahogany)
このボードはバーズアイという木材で作られている。
表面のでこぼこに味がある。

Good Luck Dragon
Birdseye+Mahogany


壁から外してみると、乗る面はこんな感じ。


真ん中にマホガニー材を入れている。



SK8easyのキャップ、Tシャツも販売されていた。


W Vision(Black Cherry)



真ん中の部分がすこしへこんでいる。
つま先に少し力をいれるだけで曲がる。



写真バネルもずらり。
なかにはわざとmickさん自身を写真の反射のなかに写り込ましているものもある。



mickさんが14才のときにはじめてデザインしたスケートボードも展示されてた。



(えっ、中2でデザインした?スゴイなぁ)


友達の家のアクリル工場で加工してもらったそうだ。



展覧会にはmickさんの思い出も飾られていた。

mickさんにインタビューしてみた



会場でインタビューさせてもらった。

先日開催された展覧会『四角の未来』の話しになった。
場所は原宿(明治神宮前)のFUJIFILM WONDER PHOTO SHOP。
展覧会では、FUJIFILMの新製品のインスタントカメラ『SQ10』を使って、mick parkさんがポートレート撮影をしていた。
料金は千円。
ファション誌の撮影をしている、バリバリの写真家に撮影してもらえるというので、会期中、大賑わいだった。

短い時間に、お客さんにどう撮られたいか確認して、撮影。
撮られるかたの個性が自然に写真から出ているよう。
ポーズ、照明など、撮られるお客さんによって違っていた。

私も撮っていただいた写真はすぐ仕事のプロフィール写真にした。

mickさん
「多くのひとたちは、カメラがデジタル化して、とにかく数を撮る。
あとで自分がいいのが撮れたかどうかすらわからずに、ただ時間が許されるかぎり撮るとか。
とりあえず撮って、あとで選ぶ。
自分がいいのを撮ったのか。
撮られた人がいいのを撮られたかどうかがわからないまま。
ただその時間内にシャッターを切っている」

どの写真がいいのかわからなくなるのだ。

mickさん
「僕の場合は、撮る枚数が少ない。
雑誌の撮影でも、タレントさんの撮影でも、もう終わりですか?と言われる。自分がいいものを撮れたから、それがわかるからもういい。
イメージに達すればもういい」

ヒットしたかどうかがわかる

「(何枚も迷いながら撮るのは、)狙っているものが明確でない。
自分の場合はイメージがある程度できているから、そのイメージに達すればそれで終えることができる」

「ボクシングを例えにすると…

強い選手は効いたパンチを当てて
相手が尻もちをつく前に、もう倒れるよ、ってレフリーに言う。

弱い選手は倒れている相手を執拗に攻め立てる。

僕の場合もそれと同じような感覚で、撮れたかどうかはわかる。

ボクサーはパンチがヒットしたかどうかが明確にわかる」

あの簡易な撮影機材で、本物の撮影体験ができるなんて驚いた。
プロの撮影というのはどんなものかを見せられたのだ。



mickさん
「撮影をするきっかけは千円かもしれない。
でも、みんなに残っている写真はもちろん、あの体験は心のどこかに残っているよね」

お世辞ぬきで、
mickさんはこんなに凄い写真家なんだって思った。
それを見せつけられた。
こんな経験ははじめてだった。

ミックさんのプロフィールは華々しい。
セナを撮影したことは凄い。
ファッション誌の撮影から、俳優、アイドル、有名な芸能人を多数撮影した経験がある。
けど、自分を撮影してもらうと、ほんとの凄みがわかった。

家族も見たことのない表情。

スマートフォンが拡がって、日頃から自分を撮ってもらうのは当たり前になった。
今まで何度撮ってもらったかわからない。

でも、展覧会『四角の未来』で撮影してもらった写真を見て思った。
「自分のあんな顔は見たことない」
「あっ、自分ってこんなひとだったんだ」
そんな言葉が口から出てきた。

撮影したもらった本人も見たことがない自分の顔。

撮るイメージをできるかぎり速く

mickさんは以前、今は亡き有名なF1レーサーのアイルトン・セナを撮影した。
レース直前、コクピットのセナがピットになかにいるところを撮影した。
ほかのカメラマンたちが入り込めないすぐ目の前まで近づけた。
撮らしてもらう相手の気持ちを大切にして、しつこく撮らない。

ただかっこよく、美しく、撮影してもらうわけではない。
どんなふうに見せたいか、
それを写真のカタチ、四角の写るスペースに入れ込む。
四角のキャンバスに、写したいイメージを落とし込む。

mickさん
「なにが写真かをわかってもらえるといいよね。
まわりの環境があって、見える範囲があって、
最終的にフレームのなかの四角にいれる」

「自分のなかでイメージを切り取れていないといけない。
そのイメージをできるかぎり速く察知する。
どんな顔をしているか、どういう雰囲気なのか、
自分のなかで計算というか、感覚的問題だけど…」



ガッティ
「写真は見ることはあっても、プロに撮ってもらえる体験はあまりできないです」

mickさん
「写真を撮られたいひとたちがいっぱいいる。
写真を見るだけじゃなくて、撮られることでそれを感じとれる」

撮られて、あらためて、自分が撮られたいことがわかる。
いつも写真展に行くと「あ~きれいな写真だ」って思う。
しかし、撮られたいことはその会場では感じない。

mickさん
「アートって、一般的にはハードルが高い。飾る場所がないから難しい…とか」



自分の知らない自分を見る

私はFUJIFILM WONDER PHOTO SHOPで2回、別日に撮影してもらった。
撮ってもらった2枚は、まったく違ってた。
それにもびっくりした。

2回目の写真はできあがったあと、
パール加工で明るさを1段明るくして、
とmickさんの指示。
明るさ違いを2枚プリントしてもらった。

一見どちらが明るいか、よくわからない。
スタッフのかたにおしえてもらった。
裏に明るさの数値が表示されてた。
うれしかった。

いつもコンビニでスマホのデータを1枚30円でプリント。
周囲では自撮りも当たり前になった。
そんな写真生活の私には、その体験は新鮮だった。

mickさん
「スペシャルなんだよね」

自分の知らない自分を見る。
mickさんに撮影してもらって、それを見せてもらった。
写真は目で見ているものをそのまま記録していると思ってた。
でも、見えていると思っていたものだけじゃなかった。

自分が知らない自分が眠っている。
日頃からスマホで撮っている自分の姿。
自撮りではわからない、撮れない自分がいる。
mickさんと話していて、そんなことを思った。

mickさん、お忙しいところ、インタビューのお時間をいただきありがとうございました。
(ガッティ)

最後にmickさんを、
会場にいらしていたモデルのMAE KENさんと一緒に記念撮影。
MAE KENさんは俳優、写真家としても活躍されている。

左:mick parkさん
右:MAE KENさん


mick park webサイト

SK8easy WEBサイト

『四角の未来』(撮影:mick park)

『Art or Ride』(撮影:mick park)


************************************

タイトルとURLをコピーしました