江戸の日常のワンシーンが蘇る!
1月20日(土)、東京世田谷の静嘉堂文庫美術館。
静嘉堂文庫美術館
まず、「歌川国貞」展トークショーが始まった。
ナビゲーターはTakさん(青い日記帳)、静嘉堂文庫 主任司書 成澤麻子さん、ゲストは太田記念美術館 主席学芸員 日野原 健司さん。
歌川国貞。
歌麿や北斎、広重、国芳にくらべて、あまり知られていない。
でも幕末の江戸では一番人気の画師だったそう。
Takさん「今回の見どころは?」
日野原さん「季節にあわせた着物です」
成澤さん「ほかの美術館の展示とちがい、画帖仕立てでご覧いただけること」
画帖(がじょう)仕立てとは、アルバムのように、何枚もの絵がつながっているもの。
日野原さん「浮世絵の展示期間は短い。この時代の絵は光に弱い。画帖の形で保存しているから色が鮮やかなのです…」
トークショーのあと、成澤さんの解説でギャラリートークを聞いて会場をまわった。
女性が手鏡を持って化粧をしている。
これが画帖仕立て。
何枚もの絵がつながっているので、連続写真みたいに見えた。
(写真は美術館から許可をいただいて撮影)
後ろの髪を整えるため、もう1枚手鏡をつかっていたり。
眉を抜いていたり。
お歯黒がうまくいかなくて口の周りが黒くなっている(下の写真)。
突然に降り出した雨だろうか。
通りを歩く3人の女性。
一番右の女性はしっかりと傘をさして、着込んでいる。
一番左の女性は傘をささず、軽い服装だ。
一瞬を切り取ってる。
錦絵はポスター、広告メディアでもあった。
女性の後ろには、当時の話題になった外国船のつくりもの、人気の商品。
この絵を見て、「これを買おうかしら…」と庶民は思った。
肉筆の絵もあった。
お芝居(歌舞伎)の劇場の様子を描いている。
観客は舞台を見ないで、お喋りしたり、何か食べていたりの大騒ぎ。
わたしが一番オモシロかったのはこの絵。
舞台ウラの様子が事細かに描かれている。
鳴り物(なりもの、音楽担当)が鼓ももって待機。
役者だろうか、台本を確認している。
見ていると音が流れてくるようだ。
ファッション雑誌を見るように
ギャラリートークの始め、会場に入るとき、成澤さんが言っていた。
「美術作品を見るのはなく、ファッション雑誌を見るような気分で楽しんでくださいね」
当時のひとたちは錦絵は娯楽のひとつ、今でいるテレビやインターネットのようなメディアとして楽しんでいたのだ。
歌麿のような「絶世の美女」ではなく、国貞は身近にいる「おねえさん」を描写していた。
江戸のひとたちの日常の様子。
その一瞬を切り取った。
江戸のストリートシーンをレポートしていた。
国貞の絵のなかで、
等身大のひとたちが主役になってキラキラしていた。
「歌川国貞」展
前期 1/20(土)~2/25(日)
後期 2/27(火)~3/25(日)
静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区岡本)
最寄り駅:二子玉川駅
タクシーがおすすめ(私は片道650円でした。5分くらいで着きます)
静嘉堂文庫美術館